本をめぐる冒険

読んだ本の感想などを書いてみるブログ。

桜をめぐる冒険 ~”桜”の小説たち まとめ

 こんにちは。

 今月から月ごとにテーマを持って本を読んでいくことにしました。4月のテーマは『』。日本人にとって最もなじみ深いと言える桜は、古くから数多くの小説に登場してきました。

 

 今月は全部で12冊の本を読みました。桜の本は思ったよりもたくさんあって、カバーできない部分もありました。日本人作家ばかりになってしまったのが少し心残りですね。桜の木を切ったワシントンの逸話のように、海外にも桜は身近にあると思うのですが、どうなのでしょうか。

 以下、各本の紹介記事です。

 

衝撃的な書き出しが有名な『桜の木の下には』感想 - 本をめぐる冒険

 書き出しがとても有名な掌編です。後世にも多大な影響を残していることが今回分かりました。

 

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美しくも残酷な『桜の森の満開の下』感想 - 本をめぐる冒険

 説話風の文体が特徴的で、残酷な表現と美しい終わり方が心に残ります。

 

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人知れず桜を守る男の生涯を描く『櫻守』紹介 - 本をめぐる冒険

 桜を愛する植木職人が主人公という珍しい小説。桜をただ「見る」ことと「守る」ことが全く違うものだと分かります。

 

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『サクラオト』紹介 - 本をめぐる冒険

 趣向を変えて比較的最近のミステリーから。仕掛けがたくさんあって連作ミステリーとして面白かったです。

 

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男女のもつれを美しくも妖しく描く『桜の樹の下で』紹介 - 本をめぐる冒険

 桜の持つ美しさと妖しさを、恋愛の甘美さと醜さに絡めた作品。バブル期の雰囲気も感じられます。

 

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京都の風景と優しい雰囲気が魅力の『二十年目の桜疎水』紹介 - 本をめぐる冒険

 京都を舞台にした短編ミステリー集。昔からの日本文化的な要素がたくさん出てくるのも特徴です。

 

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市井の人々の生きざまを描く 『いっぽん桜』紹介 - 本をめぐる冒険

 花をテーマとした短編を集めた時代小説です。物言わず咲く花に勇気づけられます。

 

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『サクラ咲く』紹介 - 本をめぐる冒険

 中学生向けに書かれた児童文学です。若々しい真っすぐさがとても眩しいです。

 

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枯れ果てた古桜をめぐる女たちを描く『淡墨の桜』紹介 - 本をめぐる冒険

 実在の淡墨桜をモデルにしており、著者の宇野千代さんはその移植にも関わっています。

 

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まるで居合のような斬れ味 『桜を斬る』紹介 - 本をめぐる冒険

 腕比べのために桜を斬ってしまうという、今ならどこかから怒られそうな内容ですが、終わり方の見事さは是非一度読んでほしいです。

 

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自由を求める女性と父親との確執を描く『西行桜』紹介 - 本をめぐる冒険

 同名の能の演目を元にした小説。自由に生きたい女性と古い考えの父親との確執がテーマ。

 

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古き良き時代の懐かしい雰囲気を感じる 『細雪』紹介 - 本をめぐる冒険

 文豪が書いた1950年のベストセラー。上品な関西風の言葉遣いにハマります。

 

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 こうしてみると、純文学、ミステリー、恋愛小説と様々な作品が書かれていることが分かります。どの作品においても桜は単純な美しいものというだけでなく、儚さや妖しさを感じました。桜は見た目が美しいだけでなく、得体のしれない怖さを持っているがゆえに、作者にインスピレーションを与えるのかもしれません。

 また、『桜の樹の下で』『サクラオト』などでは「桜の木の下には屍体が埋まっている」をモチーフとしており、『桜の木の下には』の影響力が大きさが分かりますね。小説家が若い頃に読んだ作品の影響を受ける話はよく聞きます。小説家になる人間はやっぱり小説が好きなんだなと感じました。一つの作品からまた新しい作品が生まれていくのは、何か大切なものが受け継がれていく感じがしてとても興味深いです。それこそ桜みたいですね。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。