本をめぐる冒険

読んだ本の感想などを書いてみるブログ。

今年の課題図書を読んでみた。まとめ

 こんにちは。

 学生の皆さんはもう夏休みに入ったでしょうか。夏休みと言えば読書感想文。あらためてまとまった文章を書くのはなかなか大変ですよね。どうせ書かなければならないのなら、面白い本を読みたいものです。

 というわけで、今月は今年の課題図書を読んでみました。

 

 

【小学校低学年向け】

『つくしちゃんとおねえちゃん』紹介 - 本をめぐる冒険

 ちょっといじわるなおねえちゃんと、そんなおねえちゃんが大好きなつくしちゃんのちょっとした日常。

 

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『ばあばにえがおをとどけてあげる』紹介 - 本をめぐる冒険

 笑わなくなってしまった「ばあば」に笑顔を届けるため、わたしが頑張ります。

 

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『すうがくでせかいをみるの』紹介 - 本をめぐる冒険

 「すきなものでせかいをみる」というシンプルな主張と、味わい深い絵が印象的な絵本。

 

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『おすしやさんにいらっしゃい!』紹介 - 本をめぐる冒険

 魚たちがさばかれてお寿司になるまでを写真付きで説明します。食育もの。

 

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【小学校中学年向け】

『みんなのためいき図鑑』紹介 - 本をめぐる冒険

 いろんなときに思わずついてしまう「ためいき」が動き出したら?周りに気を配りまくる主人公がいいヤツ。

 

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『チョコレートタッチ』紹介 - 本をめぐる冒険

 お菓子が好きなジョンはあるとき、口にするものがすべてチョコレートに変化するようになってしまい・・・。ユーモアあふれるコメディ。

 

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『111本の木』紹介 - 本をめぐる冒険

 女の子が生まれたら、111本の木を植えよう。インドのとある村での実話を元にしています。

 

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『この世界からサイがいなくなってしまう』紹介 - 本をめぐる冒険

 日本でも人気のサイは、実は絶滅の危機にあります。それは人間による密猟が原因でした。

 

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『りんごの木を植えて』紹介 - 本をめぐる冒険

 大好きなおじいちゃんが病気に。でもおじいちゃんは延命治療はしないつもりだと言います。

 

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『風の神送れよ』紹介 - 本をめぐる冒険

 準備も本番も子供たちだけで行う、長野にある実際の行事をモデルとした作品。コロナ禍だからこそ感じるものもありました。

 

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『ぼくの弱虫をなおすには』紹介 - 本をめぐる冒険

 日本では話題になりにくい人種差別を扱った作品。

 

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『捨てないパン屋の挑戦』紹介 - 本をめぐる冒険

 パンがきらいだったパン屋の息子が、環境に配慮した「捨てないパン屋」になるまでの物語。ノンフィクションですが、かなり波乱万丈で面白かったです。

 

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【中学生向け】

『セカイを科学せよ!』紹介 - 本をめぐる冒険

 人種差別2冊目。舞台は日本。最近では、日本でもいろいろな人種の人がいるのが当たり前になりつつあります。

 

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『海を見た日』紹介 - 本をめぐる冒険

 親を亡くした子供たちが、劣悪な環境に置かれながらも前を向き続け、最後には本当の姉弟のようになっていきます。

 

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『江戸のジャーナリスト 葛飾北斎』紹介 - 本をめぐる冒険

 世界的にも高く評価されている葛飾北斎。たくさんの名作を生み出した北斎はどんな生涯を送ったのでしょうか。

 

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【高校生向け】

『その扉をたたく音』紹介 - 本をめぐる冒険

 長くモラトリアムにいる無職の男が老人ホームでの出会いを通じて立ち上がるきっかけをもらいます。今回の本の中でも平均年齢高め。

 

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『建築家になりたい君へ』紹介 - 本をめぐる冒険

 隈研吾さんが建築家を目指したきっかけや独自の建築観について、過去のエピソードを交えて語られています。建築家を目指していない君にも。

 

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『クジラの骨と僕らの未来』紹介 - 本をめぐる冒険

 子供の頃から生き物好きで、そのまま研究者になった中村玄さん。本当に好きなものを仕事にしています。

 

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 今回は絵本や児童文学を久しぶりにたくさん読みましたが、期待していた以上に面白かったです。シンプルで分かりやすい内容でありながら、大人でも答えるのが難しい問題をストレートに問いかけてくる感じは、一般的な読書ではなかなか味わえない経験だったように思えます。むしろシンプルなだけに誤魔化しがきかない部分もあるのではないでしょうか。

 内容的には、学校・学年を問わず「自分の好きなこと」をやろう、という本が多かった気がします。「好きなことして生きていく」ではないですが、「好き」はそれ自体が強い原動力になります。「好きなこと」のためならやる気も出ますし、多少は頑張れます。楽しそうにやっていれば、周りからもよく見られます。一方で「好きなこと」には言い訳ができません。そんなことをすれば、「アンタが好きでやっていることでしょ」と言われてしまいますね。今回読んだ本からはそんなエールのようなものを感じました。子供たちにはぜひ自分の好きなことを見つけてとことん追及してほしいと思います。

 また、学年が上がるにつれて職業選択の参考になるような本も多く選ばれていました。特に高校生になると将来の進路を決める時期に差し掛かってきます。ですが、将来の職業に対して明確なイメージを描けている人も少ないと思います。隈研吾さんや中村玄さんは実際に「好きなことを仕事にしている」方たちですし、『その扉をたたく音』はそれが見つけられずにいる男が主人公でした。課題図書の選出に当たっては、そんな高校生たちの悩みに対するささやかなアドバイスになるような本が選ばれているのかもしれませんね。

 個人的なおすすめを挙げるとしたら『海を見た日』です。今回の中で一番読みごたえがあったと感じたのが『海を見た日』でした。ADHDアスペルガー症候群の子供たちからみた歪んだ世界の見え方は、こんな表現があったのかと驚きましたし、それを違和感を残しつつ表現する翻訳の技術も素晴らしかったです。もちろんストーリーにもいつの間にか引き込まれていき、最後は普通に感動してしまいました。特に、タイトルが回収される「海を見た」シーンは、非常に爽やかで美しいシーンとして印象に残っています。一瞬で絶望から希望へと反転するような、本作を象徴するような場面となっています。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。