本をめぐる冒険

読んだ本の感想などを書いてみるブログ。

桜をめぐる冒険 ~”桜”の小説たち まとめ

こんにちは。 今月から月ごとにテーマを持って本を読んでいくことにしました。4月のテーマは『桜』。日本人にとって最もなじみ深いと言える桜は、古くから数多くの小説に登場してきました。 今月は全部で12冊の本を読みました。桜の本は思ったよりもたくさん…

古き良き時代の懐かしい雰囲気を感じる 『細雪』紹介

こんにちは。 4月のテーマは『桜』です。古くから日本人を魅了してきた桜は、数多くの小説にも登場してきました。 いよいよ《桜》のシリーズも最後の紹介となります。 今回紹介する本は、谷崎潤一郎の『細雪』です。今では古典とされていますが、こちらで紹…

自由を求める女性と父親との確執を描く『西行桜』紹介

こんにちは。 4月のテーマは『桜』です。桜にまつわる歴史上の人物としては、平安末期の僧侶・西行が挙げられます。辞世の句として「ねかはくは 花のしたにて 春しなん そのきさらきの もちつきのころ」と詠み、その通りに2月16日に亡くなったとされています…

まるで居合のような斬れ味 『桜を斬る』紹介

こんにちは。 4月のテーマは『桜』です。『桜』をテーマとした本もこれで10冊目。だんだんここに書くネタにも困ってきました。『桜』の本も探してみると思ったよりも多く、桜がいかに日本人の心に深く浸透しているのかが分かります。古くから日本人を魅了し…

枯れ果てた古桜をめぐる女たちを描く『淡墨の桜』紹介

こんにちは。 4月のテーマは『桜』です。福島県田村郡三春町の三春滝桜、埼玉県北本市の石戸浦桜、山梨県北杜市の山高神代桜、静岡県宇都宮市の狩宿の下馬桜、岐阜県本巣市の根尾谷の淡墨桜の5つの桜を総称して日本五大桜と言います。いずれも樹齢800年から2…

『サクラ咲く』紹介

こんにちは。 4月のテーマは『桜』です。新入生は新しい学校にまだ馴染めていないころでしょうか。受験のときに合格を表す言葉として「サクラサク」という言い回しがよく用いられます。その由来は、今とは違って電報で結果を伝えていた時代、早稲田大学で「…

市井の人々の生きざまを描く『いっぽん桜』紹介

こんにちは。 4月のテーマは『桜』です。3月3日の雛祭りには桜の葉で包んだ桜餅を食べます。鮮やかなピンク色の餅と塩漬けにされた桜の葉からは、一足早く春の訪れを感じますね。雛祭りのときに桜餅を食べるようになったのは、江戸時代ごろからなのだそうで…

京都の風景と優しい雰囲気が魅力の『二十年目の桜疎水』紹介

こんにちは。 4月のテーマは『桜』です。3月27日は日本さくら協会が制定した「さくらの日」です。七十二候の「桜始開」であることと、咲く(3×9)のごろ合わせから27日になったのだそうです。ちなみに、ウェザーマップによると今年の東京の満開日はちょうど3…

男女のもつれを美しくも妖しく描く『桜の樹の下で』紹介

こんにちは。 4月のテーマは『桜』です。「桜前線」という言葉があるように、桜は南から北に向かって開花していきます。2022年の開花日は一番早い那覇で1月11日、最も遅い北海道は5月頃と予想されています。頑張れば5か月間も桜が楽しめるかも?古くから日本…

『サクラオト』紹介

こんにちは。 4月のテーマは『桜』です。さくらと名前のつく歌がリリースされています。歌詞ネットというサービスで「さくら」と検索すると1000件以上ヒットしました。森山直太朗、ケツメイシ、コブクロ、福山雅治など有名な曲が多かったのですが、面白いこ…

人知れず桜を守る男の生涯を描く『櫻守』紹介

こんにちは。 4月のテーマは『桜』です。有名な話ですが、現在日本に植えられている桜の9割はソメイヨシノと呼ばれる同じ品種です。江戸時代にエドヒガンとオオシマザクラと掛け合わせたソメイヨシノと呼ばれる桜が誕生し、開花の派手さと栽培の手軽さから全…

美しくも残酷な『桜の森の満開の下』感想

こんにちは。 4月のテーマは『桜』です。お花見の起源は奈良時代ごろと言われており、当時は桜ではなく梅を観賞する行事だったそうです。桜を見るようになったのは遣唐使を廃止した平安時代からでした。古くから日本人を魅了してきた桜は、数多くの小説にも…

衝撃的な書き出しが有名な『桜の木の下には』感想

こんにちは。 今月から、何か一つ「テーマ」を決めてそのテーマに沿った本を読んでいくことにしました。 4月のテーマは、春を代表する花である『桜』です。毎年春になると満開の花を咲かせ、私たちを楽しませてくれます。ただ美しいだけでなく、狂ったように…