本をめぐる冒険

読んだ本の感想などを書いてみるブログ。

『図書館戦争』紹介

 こんにちは。

 「秋と言えば」シリーズ、最後はもちろん読書の秋。10月27日~11月9日は「読書週間」でもあります。本を読むのにぴったりの秋の夜長には、せっかくなら「本についての本」を読むのはいかがでしょうか。

 というわけで、11月のテーマは『読書』です。

 本の無い部屋は魂の無い身体のようなものだ。

マルクス・トゥッリウス・キケロ古代ローマの政治家/紀元前106-紀元前43)

 さて、今回は有川浩さんの『図書館戦争』を紹介します。

 

 

〇あらすじ

 子供の頃自分を救ってくれた図書隊員に憧れる笠原郁は、図書館の自由を守る図書隊に入る。体力は男子に負けなかったが座学が非常に苦手で、しかも上官である堂上はなぜか郁にだけ厳しい態度をとるのだった。

 そのとき良化隊員から本を取り戻してくれた隊員の方がいて、その人がとてもかっこよくてステキで凛々しくて頼もしくて、私もこんなふうになりたいと思ったんです。

 

〇感想

 本作は、表現の自由が制限され、図書館と検閲組織との間で武力闘争が起きている世界で、図書隊員たちの戦いの日々と恋愛模様が描かれています。最初はそんなこと起きるわけないでしょ、と思いながら読んでいましたが、読んでいくうちにいつのまにか世界観に引き込まれていく説得力がありました。ナチスドイツなど、現実でも思想統制として本が燃やされたことがあったと言いますし、今日でも表現の自由がニュースの話題になることが時折あります。現代日本では当たり前のように図書館で読みたい本が自由に読めますが、実はそれは恵まれたことなのかもしれません。

 また、本作は銃器の描写がかなり詳細で、アクションシーンもたくさん登場するので、頭の中で映像化しながら読んでも楽しそうです。実際、漫画化・アニメ化・実写映画化と盛んにメディアミックスが行われているので、登場人物たちを置き換えながら読んでも良さそうです。こちらの予想を大きく裏切る展開みたいなのはないのですが、期待通りというか王道的な話もいいと思います。続編も何冊か出ているようなので、機会があれば読んでみたいと思います。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。