本をめぐる冒険

読んだ本の感想などを書いてみるブログ。

『おすしやさんにいらっしゃい!』紹介

 こんにちは。

 もうすぐ待ちに待った夏休み!夏休みと言えば、宿題の定番である読書感想文

 とは言え、あらためてまとまった文章を書くのはなかなか大変ですよね。ついつい後回しにして、最後に泣く泣くやることになるのはよく聞く話です。元学生の方には、今となっては懐かしい思い出かもしれませんね。

 というわけで、今月は今年(2022年)の課題図書に指定されている作品を読んでいきます。今回はおかだだいすけさんの『おすしやさんにいらっしゃい!』を紹介します。小学校低学年向けの一作となります。

 

 

〇あらすじ

 きんめだい、あなご、いかを、おすしやさんでさばいて、おすしになるまでをみてみよう。

 

〇私なりの感想文

 キンメダイ、アナゴ、イカを寿司屋で捌くところから調理して握りにするまでを、全編写真たっぷりで紹介しています。子役の子たちのリアクションもちょっとオーバー気味でかわいい感じです。最近流行りの食育というやつでしょうか。

 今はスーパーに並んでいる刺身でしか魚を知らない子もいると聞きますが、本当なのでしょうか。本作はそういった世相を反映しているのかもしれませんね。かく言う私も似た経験があります。子供の頃、我が家ではパック出汁を使っていたので、調理実習で初めて煮干しで出汁を取ったときは結構驚いた記憶があります。普段何気なく食べているものだからこそ、その驚きは大きいものですよね。

 本作では写真がふんだんに使われており、言葉も吹き出しのような感じで表示されていました。キンメダイをいろんな方向から見てみたり、アナゴの腸からうんちを絞り出したりと、ちゃんと子供の興味を引くように作られていたのが印象に残りました。実はイカが貝の仲間だったということは初めて知りました。とても勉強になりました。

 今は便利なことになんでも動画があるので、どうしても写真付き絵本は軽視されがちです。しかし、逆に絵本ならではのメリットもあると思います。

 例えば、動画だと動きがある分、つい流し見しがちです。その点、絵本ではいくらでもじっくり見ることができます。立ち止まって深く考えたり想像を巡らせたりするのは、動画よりも絵本の方が向いているんじゃないかなと思います。また、ネットは自分でキーワードを入れて検索する必要があるため、自分の好きなものしか見なくなるというデメリットもあります。Youtubeのホーム画面もサジェスト機能により自分の好みのものばかりが勝手に表示されます。一方、図書館や本屋ではいろんな本と自由に接することができ、それまで興味がなかった世界を知っていくことにもつながります。他にも健康面で言っても、小さいころからスマホの画面ばかり見続けると、近視になったり猫背になったりする可能性が高まりそうです。もちろん絵本も近い距離で見続けるのはよくないので、たまには『書を捨てよ、町へ出よう』とういことですかね。

 と書きましたが、今は小学校の二宮金次郎像がなくなりつつあるらしいですね。老朽化もありますが、歩きながら本を読むというのが歩きスマホを連想させて危険だいう声もあるとか。ちょっとこじつけな気もしますが、これも時代の流れでしょうか。あと歩きスマホは本当に危ないのでやめましょう。

 かなり脱線しましたが、もし感想文を書くなら、魚をさばく場面を見て新しく知ったことやどう思ったか、などを書くと良さそうです。他にも調理過程を見てみたい寿司ネタや食べ物の話や、さらに実際に自宅でもさばいてみても話が広がりそうですね。人間は他の動物の命を奪って生きている、とまで行くと低学年の子には難しいかもしれませんが、残さずに食べようとか、好き嫌いをしないようにしようとか、そんな風にまとめると子供らしい文章になりそうです。

 ところで、回らない寿司屋は正直ちょっとうらやましかったです。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。