本をめぐる冒険

読んだ本の感想などを書いてみるブログ。

『つくしちゃんとおねえちゃん』紹介

 こんにちは。

 もうすぐ待ちに待った夏休み!夏休みと言えば、宿題の定番である読書感想文

 とは言え、あらためてまとまった文章を書くのはなかなか大変ですよね。ついつい後回しにして、最後に泣く泣くやることになるのはよく聞く話です。元学生の方には、今となっては懐かしい思い出かもしれませんね。

 というわけで、今月は今年(2022年)の課題図書に指定されている作品を読んでいきます。今回はいとうみくさんの『つくしちゃんとおねえちゃん』を紹介します。小学校低学年向けの一作となります。

 

 

〇あらすじ

 2つ年上のおねえちゃんは、とっても頭がよくてものしり。計算も早くて、ぶあつい本も読めて、ピアノもできる。わたしに対してはいじわるで、いつも「グズだから」と言って手伝わせてくれない。でも、わたしにとっては、じまんのおねえちゃん。

 

〇私なりの感想文

 おねえちゃんが大好きなわたし(つくしちゃん)と、普段は軽くあしらいながらもちゃんと妹のことも考えているおねえちゃんの、心温まる日常といった感じでした。おねえちゃんは何でもできるわけではなく、いつも右脚を引きずっていて、運動は得意ではないみたいです。わたしはおねえちゃんをかばったり気を遣う場面もあって、純粋な優しい気持ちがまっすぐに伝わってきます

 本作は全5話構成で、おばあちゃんちから帰る話、遅刻してしまう話、ドッジボールの話、手芸の話、お祭りに行く話があります。一見どこにでもありそうな話ばかりですが、だからこそ子供にも共感しやすいのだと思います。それでも短い話の中にもしっかり盛り上がるところがあって面白かったです。各ページ書かれている挿し絵も優しい雰囲気で、はっきりした表現の多い漫画やアニメとは違って、控えめながら想像力をかき立てられます。

 気になったのは、おかあさんやおばあちゃんは出てくるのに、おとうさんやおじいちゃんは出てこなかったことです。おとうさんが育児になかなか参加しないという、社会の負の側面を感じます。特に子供はおかあさん大好きなので仕方ないのかもしれませんが。イクメンが増えていくと、また変わるのかもしれませんね。

 小学校の時以来、久々に絵本を読んだのですが、すごく優しい気持ちになりました。こんなおねえちゃんが欲しかった・・・。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。