本をめぐる冒険

読んだ本の感想などを書いてみるブログ。

歴代ベストセラーを見てみる まとめ

 こんにちは。

 突然ですが、みなさんはベストセラーの本は読みますか?

 本の値段は「1,000円+税」といったように税抜き表示となっています。これは、時代によって消費税の税率が変わってしまうと、税込価格まで変更しなければならなくなるのを防ぐためと言われています。

 それだけ本は息の長い商品ということです。

 何十年も前に発表された本が今でも書店で売られているのってよく考えたら不思議ですよね。逆に言えばいつでもその時代を感じることができるのが本の魅力だと思います。

 これまで出版科学研究所が毎年発表しているベストセラーランキングについての記事を書いてきました。本ページはそのまとめになります。

 

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Tide HeによるPixabayからの画像

 

 調べてみるとベストセラーはかなり時代を反映していることが分かりました。

 詳細は各ページからご覧になれます。

 

70年前に最も売れた本は? 歴代ベストセラー①~1950年編 - 本をめぐる冒険

 今から70年前のベストセラー。太平洋戦争の影響が色濃く残りますが、今でも名作と呼ばれる作品も多く登場します。

 

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高度経済成長期のベストセラーは意外? 歴代ベストセラー②~1960年編 - 本をめぐる冒険

 時代は高度成長期。歴史小説、探検記、推理小説など多様なジャンルの本が読まれるように。

 

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50年前のランキングは異質? 歴代ベストセラー③~1970年編 - 本をめぐる冒険

 70年大阪万博の年。生活が豊かになる一方で、核家族化が進んだ面も。

 

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40年前は本よりテレビ? 歴代ベストセラー④~1980年 - 本をめぐる冒険

 日本経済黄金期の80年代。テレビスターが本当にスターだった時代でした。

 

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まさに恋愛至上主義時代 歴代ベストセラー⑤~1990年 - 本をめぐる冒険

 バブル崩壊。悲惨さを感じないのは『愛』のおかげなのでしょうか。

 

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世紀末は科学と魔法!? 歴代ベストセラー⑥~2000年 - 本をめぐる冒険

 さようなら、20世紀。脳「科学」と「魔法」ファンタジーが両方ランクインする珍しい年。

 

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グローバル化により真面目に? ~歴代ベストセラー⑦2010年 - 本をめぐる冒険

 グローバルな時代へ。著名な経営学者と哲学者の名前が並び、ニュース解説が売れる。この年だけ不思議なくらい真面目に感じます。

 

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最新のベストセラーは? ~歴代ベストセラー⑧2020年 - 本をめぐる冒険

 「0.2㎛(マイクロメートル)のウイルスに支配された世界」という、まさにフィクションを越えるような現実。本を通じて人と出会う。「♪ありのままで~」と歌われるような、多様性を大事にする傾向でした。

 

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 全体的にみると、やっぱりその時代の人々の心をうまく捉えた作家や編集者がベストセラーを生み出しているのだと思います。作家と言えば一般人とは違う感性を持っているものと思いがちですが、多くの人々に共感されるような部分も大切なのだと思います。その中には時代を越えて読み継がれている作品もあり、やはり共感は大切なのだと思いました。

 また、人は現実を乗り越えるために本を読むのかなとも思いました。敗戦後の苦しい時代には良かった時代を思い出すような本が、コロナウイルスで生活が一変してしまったときは「そのままでいい」と肯定してくれるような本が読まれていました。宗教系の本が毎年ランキングに多いことも特徴的です。悪く言えば現実逃避ですが、自分の居場所を求めてしまうのは、いつの時代もどんな人でも変わらないことなのだと思います。そして、本は誰でも簡単に読むことができ、他人の話を聞くことができる道具です。特に人と距離を保ち、孤独をより一層感じる今だからこそ、本の持つ素晴らしさを感じました。

 それ以外では、メディアの影響力が大きなものでした。特に70年代以降はテレビによる影響がすさまじく、それはネット全盛と言われる現在でも残っています。鬼滅の刃もテレビアニメから人気に火が付きました。一方でネット発のライトノベルがたくさん出版され、人工知能による小説なども期待されています。今後の出版業界はネットが中心となるのか、気になるところです。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。